海咲の病気は錐体ジストロフィー 色覚異常の一種
NHKのプレミアドラマ「TRUE COLORS(トゥルー カラーズ)」で主人公・立花海咲がかかっている眼の病気は、「進行性錐体ジストロフィー」で、「色神」や「色弱」とも呼ばれる色覚異常の一種です。
錐体ジストロフィーは薬を処方することで進行を遅らせることはできますが、根本的な治療法は見つかっていない難病です。
海咲の病気の症状
「TRUE COLORS(トゥルー カラーズ)」の原作小説「わたしだけのアイリス」によると、立花海咲(倉科カナ)に診断を下した朝倉医師(要潤)は、色の種類を読み取るLMS錐体が異常であるとして、RGB(赤・緑・青)と言われる相容れない三原色のうち、赤と緑の識別に困難を伴うと告げました。
なぜ海咲は「錐体ジストロフィー」の病気にかかったのか?
「錐体ジストロフィー」にかかる確率は男性で50人に2人、女性で500人に1人程度と言われています。特に女性の場合は、後天的にかかることはまれで近親者に色弱の症状を抱えている場合がほとんどです。
朝倉医師は、女性の「錐体ジストロフィー」は遺伝に関わることが多いため、真っ先に海咲の父親が色弱ではなかったかと尋ねます。しかし美咲の父・立花勝男(北村一輝)は小型船舶免許一級保持者であったことから遺伝性であることを自身の考えをすぐに否定し、極めて珍しい後天的な症例であるとします。
ですが「なぜ海咲は錐体ジストロフィーにかかったのか。本当に後天的なのか」という疑問は、のちのお話につながります。
海咲の病気 仕事への影響
「錐体ジストロフィー」は一部の症状を除いて、身体障害者に指定される病気ではありません。しかし「色彩のディーバ(女神)」と言われ、ファッションデザイン誌の専属フォトグラファーとして、赤と緑が灰色や茶色っぽく見えて、グラデーションを感じることをできないことは致命的な欠陥です。
「コンテンポラリー」誌との専属カメラマン契約の打ち切り
それまで公私に渡って海咲をサポートしてくれた、「コンテンポラリー」誌の編集長・巻上伸哉(滝藤賢一)は急にビジネスライクになり、非情にも海咲との専属カメラマンの契約を打ち切ります。
海咲は高校卒業後に上京して以来、築いてきたフォトデザイナー、カメラマンとしてのキャリアを全て失ってしまったのです。
海咲の父親・勝男も色弱だった
専属カメラマンとしての仕事を失った海咲は妹・七瀬からの手紙もあって故郷の天草に戻り1ヶ月ほど滞在します。そのとき、かつて父・勝男の盟友で元・漁師の松浦茂雄(中原丈雄)を通して、勝男は小型船舶免許一級保持者であったにも関わらず、色弱であったことを告げられます。
勝男の代償能力
東京で朝倉医師が最初に考えた「海咲は遺伝性の錐体ジストロフィーである」という仮説は正しかったのです。勝男の場合、海咲と違って幼いころから赤と緑を識別することが難しい色弱の自覚があったため、赤と緑のグラデーションを経験的に見分けることができる「代償能力」が身についていたのです。
勝男の海難事故は色弱が原因だった
しかし勝男の色弱は、勝男が乗った「蒼海丸」と、辻村多一郎(渡辺謙)が航海長として乗船していたシンガポール船籍の貨物船「ベルハラプ丸」が衝突した海難事故があった日に露呈してしまいます。
勝男は衝突直前に船の右側にある緑の灯火、左側にある赤色の灯火を読み取ることがでず、回避活動の方向を左右逆に行なってしまったのです。結局、「蒼海丸」は2つに折れて沈没し、勝男は海に投げ出され遺体も発見されないという惨事につながりました。
TRUE COLORS(トゥルー カラーズ) キャスト 相関図
なおTRUE COLORS(トゥルー カラーズ)に登場するキャラクターやキャストについては、「TRUE COLORS(トゥルー カラーズ) キャスト 相関図」の記事を参考にしてください。