東京サラダボウル 「ボランティア」の「慈善事業」
NHKドラマ10のドラマ「東京サラダボウル」で登場する「ボランティア」とは、日本に不法滞在する外国人を標的とした、人身売買をする犯罪組織のことです。
犯罪組織が「ボランティア」とポジティブな名前で呼ばれるのは似つかわしくありません。なぜこんな名前で呼ばれているのでしょうか?
「ボランティア」は無料でパスポートを配っている?
「ボランティア」は日本に不法滞在者の中で帰国を希望している人間に、無料で帰国をするためのパスポートを配っているからです。
「ボランティア」のやっていることは、帰国を希望する不法滞在者からすると大変ありがたいことです。日本に不法滞在する外国人は、自分のパスポートで日本を出国しようとすると、不法滞在者として日本で裁判を受けさせられることになります(ほとんどは有罪判決を受けて強制送還。強制送還されてしまうと一定期間は日本に再入国できない)。
よって、不法滞在をしている外国人からすると、「ボランティア」はその名前のとおり慈善事業をしてくれているように見えます。
東京サラダボウル 「ボランティア」の犯行手口
ただし「ボランティア」が不法滞在者に配っているのは、違法な手続きで日本人の戸籍を50万円から100万円で購入してその戸籍謄本に基づいて作成した、偽造パスポートです。
「ボランティア」の偽造パスポートで「日本人」になる不法滞在者
不法滞在者が日本の偽造パスポートで無事に日本を出国してしまうと、外国人だった不法滞在者は、手続き上「日本人が正規の手続きを経て日本を出国した」という体裁になってしまいます。
もっとも「ボランティア」はその偽りの手続きが狙い目です。
「ボランティア」の偽造パスポートでは正規の記録が残らない
「日本人になりすました不法滞在者」が母国に帰国すると、空港では彼らを誘拐するために「ボランティア」が派遣した人物たちが待ち受けています。
その「ボランティア」が派遣した人物たちが「日本人になりすました不法滞在者」をさらって身柄を消したとしても、母国にいる不法滞在者の家族たちは調べるすべを持つことはできません。なぜなら不法滞在者が母国に帰国した記録がそもそも残っていないため、現地の警察は捜査のしようがないのです。
「ボランティア」の目的は人身売買
あとは「ボランティア」のやりたい放題です。誘拐した不法滞在者は、性的搾取・臓器売買・結婚・養子縁組・労働力などの「商品」として売り飛ばされることになります
また日本では戸籍謄本を売買された、つまり「なりすましをされた本当の日本人」そのものは消息不明になることなく実際に存在していますから、日本の社会で騒がれて警察が本腰を入れて捜査をすることもありません。
東京サラダボウルのミドリ頭やアリキーノはどうなるの?
以上は、「ミドリ頭」こと東新宿署組織犯罪対策課国際捜査係で巡査部長の鴻田麻里(奈緒)が、東新宿署管内で発生した2つの犯罪から推測した「ボランティア」という犯罪組織のあらましです。
「東京サラダボウル」では日本を草刈り場とした人身売買は本当に行われているのでしょうか?
このような人権を踏みにじった犯罪が東京の新宿で本当に行われているとして、「ミドリ頭」の鴻田麻里や「アリキーノ」こと有木野了たちをはじめとした「東京サラダボウル」の警察関係者は、「ボランティア」にどのように関わるのかが、最大の見どころと言えるでしょう。
東京サラダボウル —国際捜査事件簿— の原作漫画
黒丸さんが原作で、鴻田麻里(奈緒)と、「アリキーノ」こと警察通訳人の有木野了(松田龍平)を主人公とする「東京サラダボウル 」のコミックスは1巻から5巻(完結)まで販売されています。
果たして2人は完結までに最高の「バディ(相棒)」となれるのでしょうか!?