鴻田麻里にアリキーノと呼ばれる有木野了
東京サラダボウル「アリキーノ」とは警察職員として通訳人をしている有木野了(ありきのりょう)(松田龍平)のことです。
しかしこの呼び方をするのは、東新宿署組織犯罪対策課国際捜査係で、巡査部長の鴻田麻里(奈緒)だけです。ほとんどの警察関係者は有木野了のことは、「有木野」・「有木野さん」・「有木野くん」と姓を使った呼び方をします。
鴻田麻里だけが有木野のことをスペイン語の名前にありそうな「アリキーノ」と呼んで、他は「有木野」と呼んでしまうのは、鴻田麻里と有木野の関係を的確に表しているのかもしれません。
鴻田麻里の性格
鴻田麻里は警視庁東新宿署で「コクサイ(国際捜査係)のこぼれカス拾い」と呼ばれています。
このあだ名は外国人が絡む密輸や人身売買などの大規模な国際犯罪の捜査を担当するのではなく、警視庁の捜査本部は相手にしないような小さな揉め事に巻き込まれた外国人の相談事を、積極的に引き受けることから付けられたものです。
鴻田麻里はそれだけに日本人も外国人も分け隔てなくコミュニケーションを図ろうとします。
有木野了の性格
有木野了は父親の仕事の都合で生まれてから15才まで中国の大連で育ったという設定です。
それだけに中国語(普通語)は堪能ですが、中国では日本人と言う理由で仲間外れにされ、日本に戻ってからも学校で友達に馴染めず、居場所のない学生時代を送っていたことになっています。
そのため、自分とそれ以外の存在の間にどこか線を引いて、自分と他人を分けてしまうというところがあります。
二度目の対面からは「アリキーノ」
鴻田麻里は初対面の時こそ有木野のことを中国語通訳専門の警察職員とは知らずに「お兄さん」と呼んでしまいますが、二度目に新宿の中華料理店で会ったときからはすべて「アリキーノ」で通しています。
鴻田麻里だけが有木野了を「アリキーノ」と呼び始めるエピソードは、なんでも自分のコミュニケーションの範囲内に入れ込もうとする鴻田麻里と、一人で引きこもりがちな有木野了の関係を表す典型的なエピソードでしょう。
「アリキーノ」を「了」と呼ぶ人物
しかし物語が後半に進むにつれて、有木野了のことを親しげに「了」と呼ぶ人物が表れます。この人物は織田覚(おださとる)という人物で、有木野と警察学校で同期かつ卒業配属が同じ代々木西警察署だったという人物です。
引きこもりがちな有木野を「了」と下の名前で呼べるのは警察学校で同期だったという理由だけなのでしょうか?実はこの織田覚は有木野が警察官を辞めて、警察職員としての警察通訳人を目指すきっかけとなった人物で、「東京サラダボウル」のキーを握る人物でもあります。
彼はなぜ有木野のことを「了」と下の名前で呼べるのかは、ドラマ「東京サラダボウル」の展開をじっくりと追ってみてください。
織田覚と鴻田麻里
ちなみに鴻田麻里も警察官になる前に織田覚と面識があります。民間企業に就職を希望していた鴻田麻里ですが、警察官としての織田覚を見て警察官になることを決意したようです。
ちなみに2人が出会ったころの鴻田麻里の頭は、まだ「レタス頭」と呼ばれるミドリ髪ではなく、一般的な黒髪でした。
東京サラダボウル —国際捜査事件簿— の原作漫画
黒丸さん原作の「東京サラダボウル —国際捜査事件簿—」は、パルシィコミックスから1巻から5巻まで販売されています。
有木野が「アリキーノ」と呼ばれるようになった経緯はコミックスの1・2巻あたりを参考にしています。また謎の人物・織田覚については後半の4・5巻あたりで詳しく描写されています。気になる方はぜひ購入してして読んでみましょう。