あきない世傳(せいでん) 金と銀 大坂商人・伊勢商人・近江商人

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大坂商人と伊勢商人と近江商人

日本三大商人が登場するあきない世傳(せいでん) 金と銀

NHK特選時代劇「あきない世傳(せいでん) 金と銀」とNHKBS時代劇「あきない世傳(せいでん) 金と銀 2」は、江戸時代中期、大坂の呉服商・五鈴屋を舞台として女主人・幸(小芝風花)が活躍するドラマです。

商人が活躍するドラマだけであって、小説版「あきない世傳(せいでん) 金と銀」源流篇(二)早瀬篇(三)奔流篇だけでも、江戸時代に日本商人の鑑(かがみ)とされた大坂商人・伊勢商人・近江商人に関する記述があります。

今回の記事では、これらの大坂商人・伊勢商人・近江商人の特徴や、物語のどこで登場するかご紹介します。

大坂商人(おおさかしょうにん)とは

大坂商人の特徴

大坂商人は金に汚いように見えますが、実はそうではありません。日頃の食事などについては質素倹約を旨としてお金を貯め、使うときはきれいに使うというのが信条です。

商いの約束は書面に残すことはしないし、手付金を授受したりません。商売の証拠となるものは残しませんが、一度口にした約束は決して違えることもしません。

口約束でも商売が成り立つ理由は、約束を破った場合、信用を失い二度と商売ができなくなることを知っているからです。

あきない世傳(せいでん) 金と銀における大坂商人の例

「あきない世傳(せいでん) 金と銀」に登場する、二代目徳兵衛以降の五鈴屋や五鈴屋と同じく大坂天満で呉服を商う桔梗屋、船場で呉服商・両替商を商う伏見屋などが大坂商人の典型であると言えるでしょう。

実際の大坂商人の例

鴻池家(こうのいけけ)

  • 両替商として発展し、大坂を代表する豪商。
  • 米相場の取引を通じて大名や藩の財政を支援。

住友家

  • 銅の取引を中心に活動。後に住友財閥の基礎を築く。
  • 別子銅山の経営を通じて全国的な影響力を持つ。

伊勢商人(いせしょうにん)とは

伊勢商人の特徴

伊勢商人は、伊勢国(現在の三重県)から行商で商売をしながら全国をつなぐ流通網を形成しました。元々は伊勢神宮の参拝者を対象とした土産物商売や宿場町での活動から始まっています。

特に金融業や流通業に優れ、地域間の商取引をつなぐ役割を果たしました。大坂商人と同じく倹約と信用を重んじる経営哲学が特徴的です。

あきない世傳(せいでん) 金と銀における伊勢商人の例

「あきない世傳(せいでん) 金と銀」では、初代徳兵衛が伊勢商人の例です。初代徳兵衛は「古手(ふるて)」と呼ばれる古着を天秤棒の前後に担いで商いを始めて、念願が叶って大坂の裏店に暖簾を掲げたことを創業としています。

小説版「あきない世傳(せいでん) 金と銀」とNHK特選時代劇「あきない世傳(せいでん) 金と銀」は初代徳兵衛の曾孫である、豊作こと四代目徳兵衛の代から物語が始まります。

実際の伊勢商人の例

長谷川家

  • 両替商として発展し、大名貸しや金融業務を展開。

小津家

  • 和紙の専門商人として名を馳せ、「小津和紙」は今でも高い評価を得ている。

近江商人(おうみしょうにん)とは

近江商人の特徴

近江商人は、近江国(現在の滋賀県)を拠点に全国を巡る行商スタイルが特徴です。

「三方よし」(売り手よし・買い手よし・世間よし)の経営理念を掲げ、商業活動を倫理的かつ持続可能なものにしていました。

物流だけでなく、製品販売や金融業務を兼ねた多角経営を行い、各地に支店や拠点を構え、商業ネットワークを広げていました。

小説版「あきない世傳(せいでん) 金と銀」(三)奔流篇では、五鈴屋・番頭の治兵衛は、近江商人には「働き者で天秤棒の前後に信用と誠実をぶら下げたような人柄のものが多い」と評しています。

あきない世傳(せいでん) 金と銀における近江商人の例

「あきない世傳(せいでん) 金と銀」では、四代目徳兵衛に仕えたのちに独立した留七・伝七が近江商人が代表例であるでしょう。

この2人は呉服に関する豊富な販売知識が備わっているだけでなく、相手の無知に乗じて阿漕な商売をするという不誠実さはありません

実際の近江商人の例

西川家

  • 呉服商から始まり、現在の西川株式会社(寝具メーカー)に発展。

外村家

  • 呉服や木綿の行商から、近江商人の伝統を代表する存在。
著:髙田 郁
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