幸は奉公人から「ごりょんさん」に
2025年1月5日日曜日からNHK特選時代劇の枠として再放送される「あきない世傳(せいでん)金と銀」のネタバレとしては、大坂天満の呉服商「五鈴屋」の奉公人に過ぎなかった幸(小芝風花)が、「ごりょんさん(女将さん)」として3人の兄弟(四代目徳兵衛・惣次・智蔵)と結婚することです。
兄が亡くなった後に弟がその嫁と結婚する習慣について
令和の世の中で同じ兄弟3人と結婚することは考えにくいことですが、家系を保つために兄が亡くなった時にその嫁を弟が娶ると言う習慣は、太平洋戦争直後までの日本ではたまに見られた習慣です。
あきない世傳(せいでん)金と銀 ネタバレ その1 幸は3人の兄弟と結婚
ただ「あきない世傳(せいでん)金と銀」の原作小説「あきない世傳 金と銀」でも語られていますが、幸の結婚がネタバレになるほどのレアケースだったするのは、3人の兄弟と結婚したことです。
幸は惣次と再婚
実際に最初に嫁いだ四代目徳兵衛(渡辺大)が不慮の事故で亡くなった後に、そのすぐ下の弟で惣次(加藤シゲアキ)こと五代目徳兵衛に嫁いだところまでは世間の理解もありました。
幸は智蔵と再々婚
しかし惣次が商売上の不手際で出奔をし幸と離縁をしたあと、三兄弟の末っ子である智蔵(松本怜生)に嫁いだ後は、世間からは歓迎されるどころか冷たい目で見られてしまいます。
あきない世傳(せいでん)金と銀 ネタバレ その2 惣次の出奔
では五代目徳兵衛こと惣次が幸との離縁を決意するほどの、商売上の不手際とは何だったのでしょうか?この惣次の作為的でかつ致命的なミスこそ、「あきない世傳(せいでん)金と銀」シーズン1のネタバレ要素の1つでもあります。
五鈴屋のオリジナルブランド「浜羽二重」の企画
惣次は江州(現在の滋賀県)波村でつくった「浜羽二重」を「五鈴屋」のオリジナルブランドの絹織物として大々的に売り出そうとしていました。
そのためには波村で織物を織る作業に従事する人たちに対して、まとまった金子をあらかじめ用意する必要があります。その現金を渡すことは持ち運びに不便がともない、盗難のリスクが伴います。そこで惣次が現金の代わりに取引のために用意したのが手形です。
惣次、不良債権を押し付ける
問題は惣次が用意した手形です。その手形は山崎屋と言う両替商が保証をしたものですが、山崎屋は大坂などの上方ではすでに信用が傾いて手形を現金と換金ができるか危うい状態でした。
案の定、山崎屋は倒産し、発行した手形の価値は紙くず同然となります。いわば惣次は上方と江州の情報格差を利用して「五鈴屋」の不良債権を波村に押し付け、ただ同然で「浜羽二重」を仕入れることに成功したのです。
惣次、責任をとって隠居
しかし江州波村の人たちもしたたかで山崎屋の経営が傾いていることはお見通しでした。そこで波村の長老(中原丈雄)が惣次に通告します。「五鈴屋の五代目は信用できない。取引停止や」と。
そこで惣次は責任をとって隠居することを決意し、「五鈴屋」の家督と徳兵衛の名義を弟の智蔵に譲ります。
「あきない世傳(せいでん)金と銀2」 2025年春に放送予定
このあとシーズン1の「あきない世傳(せいでん)金と銀」では、六代目徳兵衛となった智蔵と幸が結婚すると言うところで終わります。この続きはシーズン2の「あきない世傳(せいでん)金と銀2」に引き継がれます。
「あきない世傳(せいでん)金と銀2」はすでに2024年11月5日に制作されることが発表され、放送は2025年春になる予定です。
NHKがブログの記事で公開している「あらすじ」によると、シーズン2では惣次が企画して売り出そうとした「浜羽二重」がヒット商品となると書かれています。
しかしその売れ行きに嫉妬した同業者が難癖をつけるところから始まりそうです。
原作小説 「あきない世傳 金と銀」 一巻から三巻まで
NHKの特選時代劇「あきない世傳(せいでん) 金と銀」として再放送される内容は、髙田郁さんが書いた原作小説の「あきない世傳 金と銀」の1巻から3巻までの内容をドラマ化したものです。
9歳の幸が大阪天満の「五鈴屋」に奉公のために働きに出て、やがて商家の女将である「ごりょんさん」と呼ばれることになった経緯が描かれています。
もちろんシーズン1の「あきない世傳(せいでん) 金と銀」のネタバレ要素である、惣次が不手際を起こして「五鈴屋」を去る様子も詳しく描写されています。